第17編 お話:終わりのない結び目をほどく

第17編 お話:終わりのない結び目をほどく

やぁ、お月さん!おまえさんは、何を食べるのかね? 「僕は卵を食べるのさ」と、月は答えた。 卵はどこだい? 「テーブルの上さ」と、月は答えた。 テーブルはどこだい? 「火で燃やされてしまったのさ」と、月は答えた。 火はどこだい? 「水で消されたのさ」。 水はどこだい? 「牛が飲んだのさ」。 牛はどこだい? 「地面の中へ消えたのさ」。...
第15編: 恋

第15編: 恋

第15編: 恋 取りつかれるとか、夢中になるというのは、よいことでもありうるが、誰が夢中になっているのか、夢中になる対象が誰なのかということにもよる。シッダールタに夢中になっているのなら、それはとても幸運なことである。崇高な人にそのような感情をもつのは、その人に品位と、よいカルマのつながりがあるということなのだ。...
第14編: タシ・ナムゲルのリメへの忠誠

第14編: タシ・ナムゲルのリメへの忠誠

1960年代初めのヒマラヤ地域は、すべてがばらばらになってしまったかのようだった。僧院は破壊され、偉大な師たちは殺されてしまった。多くの人々が住む場所を失った。そして、ツェワン・ペンジョルがケンツェ・ラブランのチャグゼの地位を退き、おそらく、多くの人びとはケンツェの系譜の運命と繁栄は終わったと思っただろう。...
第13編: ラブランの壮大さ

第13編: ラブランの壮大さ

チベット仏教の伝統のなかで、精神の物質主義を最も象徴する現象は、おそらくラブランというものだろう。ラブランという言葉は、「ラマ」という単語のラと、「巣」というような意味のブランからなっている。そして、基本的には、ラマの住居あるいは世帯という意味である。...